2023(R5)年度 関東支部 総会のご報告

●日時 2023(R5)年6月24日(土)14:00~17:15

●会場 主婦会館プラザエフ(四ツ谷) 

●出席者 

  来賓 工業会 理事長       堀 照夫 様

     福井大学工学部 学部長 教授 明石 行生 様

  会員 48名〔内、初参加3名、新人(R2卒)2名〕

 

1. 支部総会

関東支部総会(2020~2022年度はコロナ禍のために中止)を4年ぶりに開催しました。

総会は井上眞一関東支部長の挨拶で始まり、続いて、来賓としてお越しいただいた堀照夫工業会理事長様より、次のような内容のご挨拶をいただきました。

 

・北陸新幹線(敦賀まで)が、2024年春に開業されること、福井県立恐竜博物館が世界的にも有名になったこと、一乗谷朝倉氏遺跡博物館が「日本展示学会賞」を受賞したことなどにより、福井は盛り上がっている。

 

・今年の12月に工学部創立100周年になることから、12月9日に100周年祝賀会を開催する。また、記念事業として、100周年記念式典の開催(2024年7月)や100周年記念館の建設なども予定されている。

 

・工学部創立100周年記念事業及び工学系の教育・研究の応援として、募金をお願いしているが、目標額に達していない。是非、応援していただきたい。

 

物故者追悼の後に、下記議案について審議し賛成多数で承認・可決されました。

 第1号議案 2022(令和4)年度事業報告および収支決算報告、会計監査報告

 第2号議案 2023(令和5)年度事業計画および予算計画

 第3号議案 理事及び監事の選任

 

2.工学部の現況

 工学部学部長教授の明石行生様から、工学部の現況についてのお話を伺いました。主な内容は以下のとおりです。

 

(1) 教職員一人当たりの学生数は3.8人になっており、きめ細かい対応ができていると考えている。

(2) 創造力豊かな、そしてそれを実行する力を持って、夢を形にできる技術者「Global Imagineer」の育成に力を入れている。専門的な知識に加えて、人間力、創造力、コミュニケーション能力をもった海外でも活躍できる技術者、研究者を育てることを目指している。

 

(3) 工学研究科専攻は14コースある。志願者数が減少気味であり、地域と社会に貢献できるように研究を強化するとともに、広報や研究成果のPRに力を入れている。また、ホームページもさらに充実させる予定である。

(4) 資金を獲得するために、文部科学省に、情報系の強化やグリーンイノベーションに関する申請を行っている。

 

(5) 全国大学実就職率ランキングにおいて、複数学部を有する国立大学で15年連続全国1位になっている。また、在職期間3年以内の離職率も低く、企業から評価されている。

(6) 100周年記念事業として、100周年記念館の建設などが予定されており、是非、寄付をお願いしたい。

 

(7) さらに重要なのは、工業会の会員、学生、教職員が、工学部という共通のコミュニティに属しているという「コミュニティ意識」を高めることが必要です。コミュニティ意識の涵養に向けて、工業会の皆様にご支援ご指導をお願いしたい。

 

3. 講演会

『日本の携帯電話の光と影、そして5G(第5世代移動体通信システム)にかける期待』と題して、電気工学科卒(H3卒)の飯盛英二氏(楽天モバイル株式会社デバイス開発部マネージャー)より講演していただきました。主な内容は以下のとおりです。

 

(1) かつて世界一と言われた日本の携帯電話は、ガラケーに対する過信から4Gへの準備ができていなかったことなどにより、3G末期のiPhoneの上陸から日本の衰退が始まり、今や壊滅的な状況になっている。iPhoneは12年連続シェア1位、Androidとシェア2分している。

 

(2) 2020年に5Gサービスが開始された。5Gは、高速大容量、低遅延、同時多接続などの特徴を持つが、5Gスマートフォンの市場は、次のような理由のため、その立ち上がりが非常に遅くなっている。

 ① 5Gに割り当てられた周波数(3.7/4.5GHz、28GHz)は、遠くに届きにくい電波特性を持っている。5Gエリア拡充には膨大な時間とコストが掛かるため、4Gを利用しながらサービスエリアを徐々に拡大する方式を採用している。現時点で、まだ、本当の意味の5Gエリアが少ない。

 ② スペックに関係なく、安い端末が売れている。ミリ波(28GHz)はコスト削減のため、端末に搭載されていないことが多い。

 

(3) 5Gサービスは当初、過度に期待されていたが、その反動による幻滅期に入っている。現在、5Gを活用する探求が続いている。

 

(4) 5Gを活用するターゲットは、スマートフォンではなく、社会課題を解決し、人間中心の価値を創出するような新規ビジネス領域を立てることである。現在、いろいろ実証実験が行われているが、ビジネス化には至っていない。

 

(5) 新規ビジネス領域(社会、産業全体)において、ビジネス戦略を立てるために、国レベル/世界レベルのビジネス推進リーダーが必要であり、10年単位の長い期間で実践していくこと必要である。またこれから数十年に渡って困難と向き合い、社会問題を解決、実行していくためには、若い世代の力が必要です。

 

(6) 福大コミュニティについて

福大生に対して、工業会の先輩方が知識と経験を伝え、「未来の羅針盤」を共有しながら、学生がグローバルに活躍するための教育ができれば、福大コミュニティは一層活性化できる。今後ますます複雑化する社会では1人では何もできない。福大コミュニティから、日本の未来を一緒に作っていきたい。

 

4.懇親会

懇親会は、電気系の出席者の中で最年長の加藤光平氏(S36卒)の乾杯の音頭により始まりました。懇親会の中で、以下のアトラクション等が実施されました。

(1) 初参加者の紹介

 初参加者5名(令和2年卒の新人2名を含む)の自己紹介

 

(2) クイズ大会

 本多弘徳さん(電気、S42卒)の工夫を凝らした出題に大変盛り上がりました。正解者には景品として福井県アンテナショップの商品引換券が渡されました。

 

(3) 福井大学学歌の斉唱

 堀理事長にタクトを振っていただき全員で斉唱しました。個々に福井の地に思いをはせました。

 

(4) 福井県アンテナショップの出店

 地酒(日本酒15銘柄、焼酎1銘柄)、焼き鯖寿司、小鯛のささ漬をアンテナショップから仕入、懇親会に提供しました。特に、日本酒については利き酒をやった方がおられたようで大変好評でした。

 

以上